花とゆめコミックス 装丁について
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タイトルロゴ
表紙最上部のトリコロール(赤色、白色+花とゆめCOMICSの文字、青色)の下に配置されています。
背表紙では「花とゆめCOMICS」ロゴ下の配置です。
書体はゴシック体、文字色は赤色がほとんどで、表紙では縁取り(袋文字化)されています。
山岸凉子『ひいなの埋葬』 初版
表紙
一部文字が橙色の場合も赤色での縁取りです。
三原順『はみだしっ子2 夢をごらん』 初版
表紙
タイトル文字数により縦横の幅が変動します。
例えば、
森川久美『十二夜』
では平体、
山田ミネコ『アリスと3人のふたご』
では長体をかけています。
一行では収まらない文字数の場合、
木原としえ『日なた日かげへのロマンス』
や
みかみなち『上を下へのロックンロール』
、
山田ミネコ『自我系の暗黒めぐる銀河の魚』
のように一部文字が縮小され、橙色で配置されます。
表紙での位置も特に固定されておらず、
美内すずえ『ガラスの仮面』9巻
では下に偏って配置されています。
忠津陽子『ロザリンドの肖像』
のように、初版と重版で位置が異なるコミックスもいくつかあります。
創刊からしばらくはレタリングでした。
変更時期は不明です。
文字「の」に注目すると、
山田ミネコ『冬の円盤』(HC-87、1977年5月20日)
と
『緑の少女』(HC-131、1978年9月20日)
では全く異なります。
コーティング有りカバー(340円)への切り替えと共に変更されたのではないかと考えましたが、その第一号である
木原敏江『王子さまがいいの!』(HC-126、1978年8月20日)
の文字「の」がどちらであるか判別出来ません。
縁取り幅が通常より少ないタイプもあります。
橘裕『人形師の夜』 1巻 第12刷
表紙
縁取り幅が通常より多いタイプもあります。
杉山志保子『天使が僕に堕ちてくる』 ばくシリーズ 2 初版
表紙
作者名
表紙では、タイトルロゴとの間に、青色線一本を挟んで配置されています。
創刊からしばらくはレタリングです。
山岸凉子『ひいなの埋葬』 初版
表紙
美内すずえ『黒百合の系図』(HC-108、1978年1月20日)
から共通の角ゴシック体が導入されました。
以後、従来のレタリングだった作品は
忠津陽子『結婚の条件』 4巻
、
山岸凉子『妖精王』 3巻
、
和田慎二『スケバン刑事』 8巻
のみです。
角ゴシック体導入前の作品も重版では変更されていることがあります。
山岸凉子『妖精王』 1巻 初版
表紙
山岸凉子『妖精王』 1巻 6版
表紙
山岸凉子『妖精王』 1巻 初版
背表紙
山岸凉子『妖精王』 1巻 6版
背表紙
一方で、
山岸凉子『セイレーン』
や
和田慎二『スケバン刑事』(1巻~8巻の第1部)
のように、変更されていない作品もあります。
また、
武田京子『誰もわかってくれない』(HC-21,1975年8月10日)
まで、背表紙の作者名部分の背景色が、表紙や裏表紙の基調色とは異なっていました。(一部例外あり)
こやのかずこ『食べなきゃソン!!』 1巻 初版
背表紙
作者名に振り仮名がある作品もあります。
橘裕『人形師の夜』 1巻 第12刷
表紙
巻数/副題
原則、作者名の右横に配置されています。
タイトルロゴ直下や作者名左横の場合もあります。
三原順『はみだしっ子』シリーズ
のように、タイトルロゴに組込まれる場合もあります。
作者名と同じく、創刊からしばらくはレタリングです。
紙カバー(320円)時代は「~傑作集」の後にナンバリングが付加されていましたが、コーティング有りカバー(340円以降)では削除されているようです。
1番目の傑作集には付加されませんが、例外的に
水野英子『ローヌジュレエの庭』
のみ「水野英子傑作集1」と表記されています。
山岸凉子『ひいなの埋葬』 初版
表紙
山岸凉子『ひいなの埋葬』 第9刷
表紙
山岸凉子『ひいなの埋葬』 初版
背表紙
山岸凉子『ひいなの埋葬』 第9刷
背表紙
水野英子『ローヌジュレエの庭』 初版
表紙
作者名と同様、巻数表記も発行時期により書体が異なります。
山岸凉子『妖精王』 1巻 初版
表紙
山岸凉子『妖精王』 1巻 6版
表紙
背表紙は一目瞭然。数字やかっこの線幅は太く、如何にもレタリングといった風です。
山岸凉子『妖精王』 1巻 初版
背表紙
山岸凉子『妖精王』 1巻 6版
背表紙
表紙イラスト
花とゆめコミックスと言えば枠、枠と言えば花とゆめコミックス。
"姉"であるりぼんマスコットコミックスと同じく、枠の中にイラストが配置される形式です。
RMCよりイラスト枠の高さは低いものの、正方形ではありません。
いわゆる「枠はみ出し」表紙の初出は
三原順『はみだしっ子3 そして門の鍵』(HC-81、1977年4月20日)
です。
はみだしっ子だけに。
以降、
和田慎二『スケバン刑事』 5巻
のように、ちょっとだけ「枠はみ出し」の表紙が増えて行きます。
樹なつみ『マルチェロ物語』 1巻(HC-315、1982年4月15日)はなんと枠をリボンで装飾しています。
美内すずえ『ガラスの仮面』 25巻
や
26巻
はよりきらびやかな装飾枠です。
さらに後年になると、由貴香織里『天使禁猟区』など文字通り「枠に囚われない」表紙が増え、2000年代に入ると鈴木ジュリエッタ『神様はじめました』のように枠を無視する傾向に。
そして2013年6月5日発売分からは表紙イラスト重視のデザインへと変更されました。
初版が紙カバー時代である場合、価格改訂後のコーティング有りの重版ではイラストや基調色が異なることがあります。
西谷祥子『ギャングとお嬢さん』
や
木原としえ/木原敏江『日なた日かげへのロマンス』
等々はカバー違いとして有名です。
しかし、掲載されているイラストは同じでも、細かい点で異なる作品もあります。
山岸凉子『ひいなの埋葬』
もその一つです。印刷の関係か色合いにも違いがありますが、さらに...
山岸凉子『ひいなの埋葬』 初版
表紙
山岸凉子『ひいなの埋葬』 第9刷
表紙
トリミングの範囲が異なるのです。
なびいている髪の毛と枠の距離を比べると分かりやすいですね。
山岸凉子『妖精王』 1巻
や、
萩尾望都『アロイス』
でも細かい違いを確認することができました。
これらの中では、
水野英子『白いトロイカ』 全2巻
のトリミング範囲の違いが顕著です。
トリコロール
花とゆめコミックスと言えばトリコロール、トリコロールと言えば花とゆめコミックス。
表紙のトリコロールは赤色、白色、青色の順番で、白色の部分に「花とゆめCOMICS」の文字が配置されています。
背表紙で赤色と青色が入れ替わり、裏表紙では青色、白色、赤色のトリコロールになっています。
山岸凉子『ひいなの埋葬』 初版
表紙
HCロゴ
背表紙で赤色と青色が交差しているトリコロールの下部に、ピンク色でHCロゴが配置されています。
この女の子のロゴには、「花とゆめ子」なるとても分かりやすい名前が付けられています。
「花とゆめ子」の下には、水色で「花とゆめ」、青色で「COMICS」が配置されています。
水色「花とゆめ」の文字の太さはバラバラです。HC-220あたりから太文字が多い印象です。
山岸凉子『ひいなの埋葬』 初版
背表紙
和田慎二『あさぎ色の伝説』 3巻 初版
背表紙
魔夜峰央『パタリロ!』 5巻 初版
背表紙
HC番号
山岸凉子『アラベスク 第2部』 1巻
を「HC-1」とし、以後"ほぼ"発行順で割り振られています。
裏表紙右上部に「HC-xx」のかたちで配置されていましたが、HC-600以降は見られなくなります。
ただし、カバーを外すと本体背表紙から番号を確かめることができました。
2013年6月5日の装丁一新で本体のHC番号も消えてしまい、以降は割り振られていないようです。
確認出来た最後のHC番号は魔夜峰央『パタリロ!』 90巻(2013年5月25日)の「HC-4138」でした。
山岸凉子『ひいなの埋葬』 初版
裏表紙
和田慎二『ピグマリオ』 27巻 初版
背表紙
木原敏江『王子さまがいいの!』 1巻(HC-126、1978年8月20日)
から340円への価格改訂と共に、背表紙下部の作者名と「白泉社」の間に「HC-xxx」のかたちでHC番号が表記されるようになりました。
和田慎二『スケバン刑事』 13巻(HC-227、1980年10月25日)
から360円への価格改訂と共に、「HC-」の文字が削除されました。
魔夜峰央『パタリロ!』 13巻(HC-316、1982年5月25日)
からHC番号が別番号に変更され、「〔〕」で挟むようになりました。
この別番号はシリーズ内で連番になるように付加されています。
わかつきめぐみ『So What?』 5巻(HC-833、1989年4月25日)から「〔〕」ではなく「□」で囲むようになりました。
以下、調査中...
裏表紙イラスト
「表紙イラスト」と同じく、異なるイラストの作品もあれば、トリミングの範囲が異なる作品もあります。
山岸凉子『ひいなの埋葬』
では、胸元に注目するとその違いが分かりやすいでしょう。
山岸凉子『ひいなの埋葬』 初版
裏表紙
山岸凉子『ひいなの埋葬』 第9刷
裏表紙
定価
創刊当初は320円。裏表紙の左下部に「¥320」と表記されていました。
320円の本はいわゆる紙カバーです。
ビニールコーティングがされていないため、傷みやすく、状態の良いものは多くありません。
木原敏江『王子さまがいいの!』 1巻(HC-126、1978年8月20日)
から340円への価格改訂が行われ、以降はビニールコーティングがされています。
こやのかずこ『食べなきゃソン!』 1巻 初版
裏表紙
和田慎二『ピグマリオ』 1巻 初版
裏表紙
320円時代の作品でも、価格改訂の時期と重なったのか、340円の紙カバー本も存在します。
山岸凉子『白い部屋のふたり』 4版
裏表紙
美内すずえ『ガラスの仮面』 16巻(HC-217、1980年8月25日)
以降、表記が「¥340」から「定価340円」に変更されました。
美内すずえ『ガラスの仮面』 16巻 初版
裏表紙
和田慎二『スケバン刑事』 13巻(HC-227、1980年10月25日)
から360円への価格改訂が行われました。
わかつきめぐみ『So What?』 5巻(HC-833、1989年4月25日)から370円(本体359円)への価格改訂が行われました。
以下、調査中...
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